陸軍所属の空母型の形態を持つ揚陸艦で、正式には特殊船丙型(丙型:航空艤装を持つ艦)に分類されています。
艦尾には大発(小型の揚陸艇)の発進口を持ち、内部も大発の格納庫になっており、揚陸作戦に使えます。つまり、航空機と上陸用舟艇の両方を運用できる先進的な多用途艦です。
この模型は完全な空母形態に改造される1944年よりも前の姿(前期型)です。
飛行甲板はあるもののこの延長線上にある艦尾の大型クレーンや、甲板上に複数ある仮設砲台の通り、艦載機を発着できる状況にはないです。飛行甲板は主に輸送する航空機置き場になっていたようです。
仮設砲台を移動させると艦載機を発艦することはできましたが着艦は想定されていません。戦闘後は近隣の陸上基地への着陸させます。
基地がない場合は船団周辺に着水して搭乗員を助ける予定でした。しかし、実際にはこのような場面はなかったようです。
特殊な迷彩が目を引きますが、これは1942年にラバウルで米偵察機に撮影された飛行甲板上面のパターンを艦側面にも延長したものです。戦時輸送船ビジュアルガイドのP8を参考にしています。
この分野で本を何冊か出したり、パッケージアートも手掛けている岩重多四郎氏が側面に再生した迷彩でしょう。この道のプロだけあり説得力あるパターンだと思います。
模型水線長 21.5cm
完全素組
アオシマ 1/700 丙型特殊船 あきつ丸(前期型)
Aoshima 1/700 Landing Craft Carrier Akitsu maru
発売年:2016年
同型艦の他社模型無し
ここで紹介の前期型は限定商品で、現在店頭在庫のみです。運よく見つけることができたら購入をお勧めします。ネットショップでも少なくなってきています。
尚、後期型の空母形態への改造後のものは定番商品です。