リアル度up マスト金属線化

1/700艦艇模型、マストの金属線化

 模型が精細にはなってきており、特に機銃類(単装、二連装、三連装機銃など)はすごく小さくなりました。初期のウオーターラインシリーズを知っている身からは隔世の感があります。(オヤジが入ってしまいました)。この進化は各パーツ全般に言えることです。

 しかし遠目からは最も目立つ部品であるマストは、プラスチックの強度の問題であまりに細くすることはできません。部品を小さくできる金型の進化は大きいですが、細い樹脂に強度を出せるかは、樹脂の進化に負う所大です。使用する材料(ポリスチレン)にコストや成型精度からの制約もあり、近年大きな変化がないためです。

 この解決にはエッチングパーツを使用する方法もありますが、ここではお手軽に金属線を使う方法を紹介します。

1/700艦艇模型のマスト金属線化で使用する材料

 金属線の材料:真鍮か銅の金属線を使うことをお勧めします。ステンレスなど鉄系の材料よりも柔らかく加工しやすいです。一旦組み立てると触ることは無いので柔らかい金属線でも問題ありません。

1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例

 金属線の太さ: ホームセンターで売っている中で使いやすいのは直径0.3mm、0.35mm、0.4mmです。0.3mmは駆逐艦より小さい小型艦艇のマスト、0.4mmは中型艦以上のマストの基部や、大型艦の上部マスト、0.35mmはその中間などで使分けると良いです。しかし過去に作ったものでは正直このような使い分けまではできていませんでした。

給油艦 足摺、塩屋
1/700艦艇模型のマスト金属線化
金属線太さ違いの例

 同一の模型で、マストに使用した金属線の太さが違う場合の例です。両方とも足摺型給油艦で手前が2番艦塩屋、奥が1番艦足摺です。(とは言っても両艦で違う部分はないのですが)手前が0.3mm、奥が0.4mm銅線です。やはり一目見て、手前の0.3mmを使った方がシャープに見えると思います。細い分加工がしにくいのですが中型~小型艦のマストトップは0.3mmで行きたいものです。この後、奥の足摺のマストも塩屋に合わせて0.3mmに交換しました。

 事前準備: 金属線は巻いた状態で売っていますが、これは一定の長さで切断してストックしておくと使いやすいです。長いまま使用することは無いためです。

1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例

 この状態でも少し曲がった状態になりますが、厚手の板を使って平滑な平面上でコロコロ転がすと直線にできます。シャー芯のケースが使いやすいです。

艦艇模型のマスト用の金属線をまっすぐに伸ばしている所

1/700艦艇模型マスト金属線化に使用する接着剤

 金属線の接着には接着剤はプラモ用の接着剤はつかえません。プラモ用はプラスチック(ポリスチレン)を少し溶かしてくっ付けているためです。そのため金属線同士や、金属とプラスチックの接着剤としては他ページ(展示台でワンランクup艦艇模型の反り(そり)矯正)でも紹介しているゴム系接着剤G17(コニシ)を使っています。

 使用できる時間が長く、接着後も微妙な修正が可能なメリットがあります。接着強度は程々ですがマストは強度不要です。他にも瞬間接着剤や、2液硬化型のエポキシ系接着剤でも接着はできますがゴム系に比べると使いにくい点があります。

 瞬間接着剤×: 瞬間的に強力に接着しますが、一度接着すると位置の修正ができない上、接着層が脆く、少しの力がかかると簡単に剥がれてします。また一旦剥離したあとの再接着が難しいです。

 エポキシ系接着剤△: 2液を混ぜた後の使用するタイミングが難しいです。混ぜた直後な粘度が低く接着力もなく使えないのですが、少しづづ硬化がすすみ粘度、接着とも使えるタイミングになる時を狙って使います。ここから硬化が更に進むと今度は粘度が高くなりすぎ使いにくくなります。硬化速度は温度の影響が大きいので使いやすい時間帯は季節により変わります。

 ゴム系に比べて優れているのは接着強度です。しっかり接着します。しかし、マストの場合は強度が不要なのでエポキシ系接着剤の強みが生かせないです。(市販の汎用エポキシ系接着剤は、エポキシ/アミン硬化という反応を利用しています。管理人はこのタイプの接着剤に仕事で関わったことあり色々書きたい所ですが、本題とずれるのでこのくらいで)

 番外、ハンダ付け。他の方の作例ではハンダを使っているもの見たことあります。電子工作のテクニックがある方はこの方法もよいかもしれませんが、私にはスキルは無いので試したことすらないです。

1/700艦艇模型のマスト金属線化の工作例

  実際の例として0.35mmの太さの銅線を、ゴム系接着剤G50(コニシ)で組み立てた例です。

1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例
1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例

 フジミの空母信濃のマストです。スナップキット(接着剤不要)の艦NEXTシリーズなので強度確保のためマストが太めになっています。金属線にした場合の精密度アップの状況がお判りいただけると思います。

1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例
航空母艦
信濃

 これも同じくフジミの信濃(艦NEXTシリーズ)のキットです。金属線ならではの精密感が出せます。塗装時にも本サイトで多用している溶剤系のスプレー塗装であれば問題は出ません。

1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例
駆逐艦 大潮
マスト交換例1 駆逐艦大潮 マストに0.4mm銅線を使用。もう少し細い線の方が良かったです。
1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例
航空母艦
信濃
マスト交換例2 空母信濃のマスト 0.35mm銅線を使用 
1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例
航空母艦
信濃
金属線使用の効果が解るようキット付属のプラスチックのマストを比較用に前方に並べました。
1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例
航空母艦
信濃
マスト交換例3 空母信濃のマスト 0.35mm銅線を使用 

マストの部分金属化

 マストを全て金属線化するのではなく、部分的に金属線に交換すると最小限の手間でそれなりの効果が得られます。マスト先端部分が太すぎると違和感でますが、マスト基部は太くても気になりにくいためです。駆逐艦の大戦後期型や、巡洋艦以上の大きさの艦のマストトップ部分にこの方法が使えます。

 写真はフジミの時雨(白露型駆逐艦)での変更例です。マスト基部の3脚部分はそのままで、上端部のみ金属線に変更しました。細い方が格好いいと思う所のみ金属で、それ以外の部分はプラのままなので通常の接着剤を使ってラクに組み立てられます。

1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例
白露型駆逐艦
左)キット、右)上部のみ金属線にしたマスト
1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例
白露型駆逐艦
駆逐艦時雨(フジミ)

 写真は重巡洋艦愛宕での変更例です。前部マストでは左右の張り出し部分のみ、後部マストでは後部マストの上部のみ変更しています。

1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例
重巡洋艦愛宕
重巡洋艦愛宕(フジミ)
1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例
重巡洋艦愛宕
重巡洋艦愛宕(フジミ)
1/700艦艇模型のマスト
金属線化の工作例
重巡洋艦衣笠
重巡洋艦衣笠(ハセガワ)

 1/700艦艇模型でのマストの金属線化は、最初はハードル高く感じるかもしれません。しかし材料も安価な上意外と簡単で、手間の割には1/700艦艇模型のリアル度upの効果大です。気に入ったら是非試してみてください。

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