艦NEXTレビュー1(信濃)

フジミ模型、艦NEXTシリーズ、1/700、レビュー、Fujimi 航空母艦 信濃 Aircraft carrier Shinano

 フジミ模型から艦NEXTシリーズがでています。通常の模型との大きな違いは、①色分け成型により塗装不要、②接着剤不要、の2点です。ガンプラではかなり前からあった仕様ですが、より細かい部品が多い1/700艦艇模型にも導入されたのは喜ばしい事です。塗装や接着をしなくて良いというのは、かなり艦艇模型作りのハードルを下げてくれます。1/700艦艇模型のすそ野を広げる可能性を感じます。
 
 しかし、管理人宅には塗装ができるベランダと、接着剤を使っても家族から文句の出ない自室がある恵まれた環境なので塗装、接着とも問題なくできます。私のように塗装、接着自体の一定スキルがあり、且つ家庭の理解?も一応ある自称中級モデラーや、それ以上の上級モデラーにとって、艦NEXTシリーズは手を出す価値が有るか無いか、メリット/デメリットを検証してみました。

 尚、今回使用した模型は航空母艦 信濃 (艦NEXTシリーズNO.8)です。これを選択した理由は他の艦NEXTシリーズのラインアップの艦艇模型は殆ど通常の模型で作製済みのためです。

 結論から言うと、作ったことがない模型を艦NEXTで作るのは大いにアリです。理由は模型作製時間をかなり短縮できるためです。所要時間は概ね3割減ぐらいだと思います、通常の模型同等のクオリティで完成でき、コレクションに違和感なく加えることができます。

 模型作製時間が短縮できるのは、接着剤不要なため組立て時間が短くできるためと、色分けされた成型色を生かせば塗装工程を簡略化できるためです。私のような時間がボトルネックのサラリーマンモデラーにはこのメリットは非常に大です。信濃クラスの大型艦を作るとなると”さて頑張って作るか!”と気合いを入れる必要ありますが今回はアッサリ完成しました。

接着剤不要のメリット:
 ランナーから切り離しバチバチ組んでいくことができます。特に空母信濃では機銃用のスポンソンの下に支柱が多数(約50本!)あるのですが、接着剤を付けずに支柱を船体とスポンソンに間にどんどんはめ込むようにストレスフリーで設置できます。この工程での時間は従来型模型の半分程度に短縮できたと思います。また信濃には25mm三連装機銃が36門も設置されていますが、これも同様に簡単に設置できました。

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航空母艦 信濃
Aircraft carrier Shinano

多色成型のメリット:
 成型色を生かすことで、塗装工程を1層減らすことができます。また、色の違い毎にパーツが分割れているので、成型色をそのまま使わず改めて着色する場合でもパーツ毎にスプレー塗装することでマスキング工程を減らすこともできます。

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航空母艦 信濃
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濃緑色の部分が別パーツなので、ここだけ外して塗装可能です。

 その一方で、このHPで紹介している他の模型程度のクオリティに合わせるには完全無塗装は厳しいです。塗装の替わりにシールを貼る部分がありますが、水転写型のシールとは異なり厚みがあり(いわゆる、フツーのシール)模型のモールドを生かせないです。逆にこのシールをマスキングの型に使えるメリットはありますが。但し、迷彩塗装がない艦だと塗装無しでも成り立つかもしれません。

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航空母艦 信濃
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無塗装時の仮組見状態。緑色の艦首、艦尾部分はシールです。遠目にはアリかもしれません。
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航空母艦 信濃
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付属シールです。緑の縁の白抜き部分は船体に張り付けた後の状態です。

 また、接着剤の完全不使用も厳しいです。接続部が緩く接着剤を使った方が良い場所や、逆にキツいためにダボ部分を削って接着した方が良い場所があるからです。また、ボーナスパーツと称した接着を前提としたパーツもあり、これらも高精度化には使った方が良いです。

 但し、全体的な成型の精度は高く、本来はめ込みで組み立てる場所で接着剤を必要とする部分は少ないです。

 それ以外のデメリットとして、模型の値段が相対的に高い事。これは艦NEXTシリーズが、ウオーターライン/フルハル選択式のため、私のようなウオーターラインのモデラーにとっては不要な水面下のパーツが含まれるためでもあります。

 また、多色成型のためランナーの数が多いのも部品を探しにくくさせています。マストや高射砲の砲身なども通常のモデルに比べて太いです。組み立てる時の力に耐えるためでしょう。この点は、私はマストを金属線に変更することも多いので問題になりませんでした。詳しくは、リアル度upマスト金属線化をご覧ください。

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航空母艦 信濃
Aircraft carrier Shinano

 まとめとして中級以上のモデラーでも、艦NEXTシリーズで、過去に作った事のない艦艇模型を作るのはお勧めです。理由は、高精度な艦艇模型を短時間で作製できるためです。すでに作ったことがある艦を艦NEXTでも作るかはお好みでどうぞ。

 初心者の方、塗装、接着をしにくい環境にお住まい方には、クオリティの高い模型を手軽に作ることができるので大変お勧めです。これで1/700艦艇模型のすそ野が広がると個人的にも嬉しいです。

 私は次は多摩、球磨、秋月型のいずれかを作製予定です。多摩、球磨は艦NEXT以外だとタミヤの古い模型しかなく、秋月型は通常の特シリーズと異なり終戦直前の機銃増設された姿が模型化されているためです。

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航空母艦 信濃
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信濃完成状態。甲板上面は想像で成型色を生かした迷彩塗装にしてみました。
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航空母艦 信濃
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艦橋付近のアップ。レーダーはエッチングパーツ、マストは金属線に変更。艦橋上の双眼鏡群は接着で取り付けてます。

 ここで紹介した空母信濃はウエザリング塗装と搭載機を揃えた後に、本編でアップする予定です。素組からの変更点は、

・マストを金属線に交換
・エッチングパーツ使用(電波探知機(レーダー))
・12.7cm高射砲を別売りパーツに交換(ピットロード新WWII日本海軍艦船装備セット(1)R)

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手前は航空母艦葛城(フジミ製)です。大戦末期の空母を並べてみました。違和感ゼロだと思います。
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現在、マイブームの情景写真風です。撮影方法、画像加工方法は情景写真への道(停泊艦)をご覧ください。

 また、艦NEXTで主流の水上戦闘艦艇として、軽巡洋艦多摩の作製もレポートしました。こちらもよろしければご覧ください。(2021/10更新)

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