冬季迷彩艦艇の作製法

冬季迷彩の作製法 Winter camouflage 軽巡洋艦木曽 Light Cruiser Kiso

 北方作戦は、主戦場の南方作戦に比べると影が薄いです。あまりの寒さのため、日米両軍とも動きが不活発だったのも一因です。

 しかし、この戦線に投入された艦艇の中には印象深い迷彩塗装が施された艦が知られています。艦艇模型ファンとして食指がうごきます。ただ、一見複雑な迷彩に見えるので作製に二の足を踏む方も多いと思います。

 今回は、冬季迷彩の簡単な作製方法をご紹介します。管理人には高度なテクニックは無いので、手間がかからない点だけが取り柄です。

 この方法で作製できるのは軽巡多磨、木曽の2艦だけです。これらは白部分の面積が狭い迷彩のためです。(写真でうける印象とは大分違いますが)

 他に、軽巡由良の有名な冬季迷彩があります。しかし、これは白塗装部分の方が面積が広いです。そのため、今回紹介の方法の白黒反転で対応できると思います。(管理人はまだやっていませんが)

 今回は木曽での塗装方法を紹介します。

 色を塗る直前の組み立てについては、サクサク作れる塗装術を参照ください。甲板のリノリウム色が塗りにくくなるギリギリまで組み立てる方法です。

 紹介しているのは軽巡名取(タミヤ)なので、艦の形状もほぼ木曽と同じです。

 ただし、タミヤのキットをそのまま作ると1930年台の姿となります。冬季迷彩が施された1942初頭とは時代が合いません。

 そのため、今回は鬼怒のキットから艦橋パーツを流用、改造して使いました。形状は作製のお供(資料紹介)の帝国海軍総ざらいシリーズ(軽巡洋艦編)を参考にしています。

 図面が小さく細かい所はフォローできませんが、箱型艦橋の5500t重巡で、冬季迷彩がされた段階で、木曽か由良しか知られていないです。

 その上、由良とは迷彩パターンが全く違うので、木曽とすぐに判別できます。そのため、いつも通り細かいところは気にしていません。

 また、迷彩パターンとしては、<軽巡洋艦 木曽 迷彩>で調べると、右舷前方から写真と、左舷真横からの写真がでてきます。これで左右のパターンがほぼ判ります。

 迷彩が無い名取との組み立て方の違いは、スプレー塗装時に艦橋を接着しない点のみです。艦橋には細かいパターンの迷彩があるので接着しない方が良いです。タミヤのキットは艦橋を接着しなくても固定できるので好都合です。

 船体の白迷彩は、木曽では艦の前後部に限定されています。そのためこの部分を明灰白色でスプレ缶塗装したのち、白部分をマスキングして艦艇色のスプレーを塗装します。

冬季迷彩の作製法
Winter camouflage
軽巡洋艦木曽
Light Cruiser Kiso

 明灰白色は日本海軍機基本色なので、艦艇モデラーだと艦載機用に持っている方も多いと思います。

 単独で見ると当然灰色に感じますが、艦艇色と隣り合うと白に見えます。フラットホワイトを使うと、コントラストが強すぎオモチャっぽくなります。

 船体上部構造物で白が塗られた部分(艦橋、煙突、主砲2基)は、自作の明るい灰色で細筆を使い写真を参考にしつつフリーハンドで線を書いていきます。

 ここは多少ゆがむのは気にせずに、線の輪郭がスムーズになるように気を付けた方が良いです。

冬季迷彩の作製法
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軽巡洋艦木曽
Light Cruiser Kiso

 この色は明灰白色より少し明るめに調合しています。ベース塗料はタミヤのエナメル塗料です。失敗しても下地を侵食せずにふき取ることができます。管理人はボートや主砲基部の白キャンパス用に常備しています。

 左右からの写真により1、3番煙突の迷彩パターンが左右で違うのも再現できます。片面写真だけだと資料のない面も同じパターンにしてしまうので、この辺りはこだわりりポイントかと。

冬季迷彩の作製法
Winter camouflage
軽巡洋艦木曽
Light Cruiser Kiso

 この後、船体部分の色を船体上部構造に近づけるように、白でウエザリングをします。タミヤウエザリングカラーBの白、ガンダムマーカー白EX(GSIクレオス、隠ぺい力が強く使いやすい)、白ゲルボールペンなどで、ドライプラシ的に白を載せていきます。

冬季迷彩の作製法
Winter camouflage
軽巡洋艦木曽
Light Cruiser Kiso

 これにより、白の明度が船体上部構造物に近づくとともに船体特有の汚れ(ヨレヨレ感)も出せます。

 煙突、艦橋の筆塗り部分はどうしてもムラがでてしまいます。そこで、これらの色合わせが終わった所で、半光沢のクリアスプレー(管理人はクレオス製を使用)によりムラを減らします。

 その後、つや消しにしたいリノリウムの茶色(ボスカの茶色)を塗り、スス色に塗装した煙突上部、ボートダビット等を取り付けると完成です。未塗装で作製する場合から30~40分プラスするだけで冬季迷彩が完成します。

冬季迷彩の作製法
Winter camouflage
軽巡洋艦木曽
Light Cruiser Kiso
冬季迷彩の作製法
Winter camouflage
軽巡洋艦木曽
Light Cruiser Kiso

 対象が多磨、木曽だけという非常にピンポイントではありますが、今後、他の艦艇でも冬季迷彩の写真が発掘されるかもしれません。そうした際もこの方法を応用していきます。

 なお、管理人は由良のアルペジオ版のキットをもっていますが、まだ作製していません。(2023/1現在)。由良は冬季迷彩での作製を予定しています。

 今回紹介の白黒面積が逆の迷彩なので作製方法含めて紹介したいです。

 これ以外にも大戦末期の重巡洋艦妙高も、冬季迷彩ではないですが、白系と艦艇色の2色迷彩が施されていました。ただ、こちらは艦尾を喪失し自力航海不可で係留されていた状態なので、イマイチ作る気がおきません。

冬季迷彩の作製法
Winter camouflage
軽巡洋艦木曽
Light Cruiser Kiso
後方は迷彩塗装の多摩です
冬季迷彩の作製法
Winter camouflage
軽巡洋艦木曽
Light Cruiser Kiso
実写風です

登場した模型
<Amazon>
No.318 日本海軍 軽巡洋艦 木曽
 No.321 日本海軍 軽巡洋艦 鬼怒
1/700 ウォーターラインシリーズ 多摩

<楽天>
タミヤタミヤ 1/700 ウォーターライン 日本軽巡洋艦 木曽 (きそ)
タミヤ【プラモデル】1/700 ウォーターラインシリーズ 日本軽巡洋艦 鬼怒(きぬ)
タミヤ 1/700 日本軽巡洋艦 多摩(たま)【31317】 プラモデル

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