サクサク作れる塗装術では、軽巡洋艦名取での塗装を例として時短塗装法をご紹介しました。
しかし、航空母艦は艦の形状が水上戦闘用の艦艇と異なるので塗装法も違ってきます。今回は空母の飛行甲板に特化した塗装術を紹介します。使用キットはアオシマの龍驤です。
煙突の末端(黒)や機銃(ガンメタル)部分を除き、船体全体を組み立てるのは他の艦種と同じです。異なるのは飛行甲板は接着しない点です。これは後で航空機誘導用の白線を引くためです。
飛行甲板でも縁やエレベーターなどは艦艇色なので一旦全面にスプレー(ここではタミヤ佐世保工廠グレイTS-67使用、他のスプレーの色は缶スプレー色見本by実模型をご参考に)で色を塗っておきます。
飛行甲板裏側もスプレーしておきます。高い所に置いた時に飛行甲板裏面の前後部分は意外と見えてしまいます。
スプレー塗装時は船体を左右に倒して側面からもスプレーするのは当然ですが、空母は艦側面が広く、機銃用のスポンソンの裏側が影になるので塗り残しが出やすいです。
そのためスプレーを塗った後は一旦全周から確認し塗り残しが無いようにします。ここまでの実作業約10分です。
甲板を艦艇色でスプレーした後は、木甲板部分を薄めたエナメル塗料で塗ります。エナメルを使うと塗るのに失敗してもエナメル塗料用の薄め液で拭き取ることができます。
塗料を薄めて粘度が低い状態だと木甲板モールドに沿って塗料が自然に延びていきます。
アオシマの龍驤は適度なモールドの深さがありこの工程が楽です。その時の色も濃くなり過ぎずに一部下地の艦艇色が透けるような状態にするのが本物らしく見せるコツです。
色の違いがはっきりしすぎるとオモチャぽくなると思います。また、一部はあえて木目のモールドに沿って濃く塗りムラを出します。
この後は、木甲板っぽい色でモールドに沿って細筆で重ね塗りをしつつ、どれかの一色を選んで艦載艇の上面色も塗っておきます。
空母は飛行甲板が目立つので木甲板の色は少なくとも3色以上使い、均一な感じを無くしたいです。
また、艦載艇の甲板色は空母の飛行甲板のベース色(最も広く塗った色)とは別にした方が多様性が出て良いです。
今回飛行甲板に使ったのはタミヤアクリル塗料の、XF-21(スカイ:最も広く塗った色)、XF-50(デザートイエロー:暗い色、艦側面搭載の艦載艇にも流用)、XF-57(パフ:明るい色)です。
この工程の実作業約20分です。
キットには白線用のデカールが入っていますがこれは使用しません。理由は、白色がはっきりしすぎていることに加え、シール特有の光沢がありリアリティを損なうためです。
ここは多少手間はかかりますが、説明書を参考にしてマスキングテープでパターンを作ります。
船体の前後方向と幅方向のパターンが混在してる場合は手間でも縦横の2回に分けてマスキングします。
例では黄色テープが6mm幅、白が3mm幅です。飛行甲板の線が破線の場合は間隔調整の自由度を上げるためにも3mm幅を使った方が良いです。
マスキングテープ貼りは実作業約30分でした。たくさん使う3mm幅品はあらかじめカッティングシート上でたくさん切っておくと時間削減になります。(かなり小ネタですが)
今回、白線に使ったのは、Mr.ウエザリングライナー白(GSIクレオス)、タミヤウエザリングマスターBセット(粉末状)、色鉛筆(HOLBEIN WORKS社、Cool Glay )の3種類です。
ムラを出すため敢えて塗料やスプレーは使っていませんが、この作例だとムラが有り過ぎと思う方はエナメル塗料等を使ってください。着艦位置の標識として〇印が付いている空母も多いですがこれは作図用の定規を使って線を引きます。
この定規は100均でも売っています。値段が安いので空母の甲板の幅に合わせて切断して使っています。100均グッツの活用法は これは使える!100均商品 もご覧ください。
最後に甲板を船体に接着して完成です。甲板接着まで作業時間約1.5時間です。空母は他の艦艇に比べて飛行甲板の塗装に時間がかかりますが、今回ご紹介の方法なら2時間はかからないです。
飛行甲板のパターンにより作業時間が変わりますが龍驤は白線では複雑な部類に入ります。
ご好評をいただければ、第2弾として大戦末期の空母の甲板迷彩塗装法を紹介する予定です。
ご好評につき、さくさく塗装術(迷彩空母)をアップしました。大戦末期の瑞鶴を例にした、迷彩塗装の効率よい手順をご紹介しています。併せてご覧ください。(2021/9)
空母鳳翔での飛行甲板の塗装例です。前に紹介した龍驤と基本的には同じです。白線はフラットホワイトだと目だぢすぎるので、少し白よりの灰色に調色してつかっています。
空母鳳翔での飛行甲板の塗装例です。前に紹介した龍驤と基本的には同じです。白線はフラットホワイトだと目だぢすぎるので、少し白よりの灰色に調色してつかっています。
これを解消するために、上で紹介の色に白のゲルボールペンの色を部分的に載せて、白線が目立つようにしています。
管理人はデカールのようなはっきりした白が苦手なので、このような作製方法にしています。
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