作製のお供(資料紹介)

模型作製に役立つ資料の紹介

戦時輸送船ビジュアルガイド1、2(2009、2011年)世界の舷窓から(2015年)

岩重多四郎著、大日本絵画

 艦船の模型本の殆どでは戦艦、空母等の戦闘艦艇が中心です。しかし、これらはまとまった資料が少ない輸送船、タンカー、特務艦艇、戦時標準船などを取り上げた貴重な本です。

 この本を読むと非戦闘艦艇にも興味でること請けうけあいです。

 工作や塗装のクオリティも高く、市販模型と並べても遜色ないレベルです。また、紹介された船の種類も多く、紹介記事によりあまり知られていない輸送船の苦闘も知ることができます。

 船体からフルスクラッチした模型の紹介が多いですが、既存のキットを流用することで作れる模型も掲載されています。

 当サイトでもこれらの本を参考に作製した模型も紹介しております(五洲丸靖国丸赤城丸粟田丸等)。但し、近い船体がある既存キットからの改造のみです。管理人には船体をフルスクラッチする技能はないもので。。

 戦時輸送船ビジュアルガイドの各巻末では1/700スケールの模型作製用の図面も載っていますので腕に覚えのある方は作ってみてはいかがでしょうか。

戦時輸送船ビジュアルガイド1
戦時輸送船ビジュアルガイド2
世界の舷窓から
岩重多四郎著
大日本絵画

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戦時輸送船ビジュアルガイド
戦時輸送船ビジュアルガイド〈2〉日の丸戦隊ギャラリー
世界の舷窓から: 七つの海をめぐる模型的艦船史便覧

帝国海軍 総ざらいシリーズ (2014~2015)

モデルアート社

駆逐艦(2014/3)
航空母艦(2014/4)
重巡洋艦(2014/6)
軽巡洋艦(2014/10)
戦艦(2015/1)
大型補助艦艇(2015/4)
潜水艦/小型補助艦艇(2015/9)

帝国海軍 総ざらいシリーズ
モデルアート社
駆逐艦
航空母艦
重巡洋艦
軽巡洋艦
戦艦
大型補助艦艇
潜水艦/小型補助艦艇

 各巻で取り扱っているカテゴリーの艦艇のキットやパーツの紹介がのっています。また、主要艦毎の時代変遷が竣工から喪失まで図面で掲載されているのがポイントです。

 同一艦でも時代により異なる装備/形状をしているので、模型の年代の確認やベースキットと異なる時代に改造するのに大変役に立ちます。

 戦時中で資料が少なく確定情報でない場合は、その旨明記されているのも良いです。

 それぞれの巻の内容に沿った作例も充実しています。超絶技巧ではなく少しのディテールアップで最大限効果を出すのをねらった作例が多く、当サイトと相性が良いです。

 最終巻の潜水艦/小型補助艦艇のP2,3には帝国海軍の艦船類別の体系図がのっています。本サイトでの艦艇カテゴリ分けはこの図を参考にしています。

 特資料が少ない空母については、同じく大日本絵画より、航空母艦ピクトリアル(2022/3)が発売されています(作製のお供、資料2)。

 こちらの方がさらに新しい情報に基づいた資料なのでおすすめです。

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MODEL Art (モデル アート) 増刊 帝国海軍駆逐艦 総ざらい 2014年 03月号 [雑誌]
MODEL Art (モデル アート) 増刊 帝国海軍航空母艦 総ざらい 2014年 04月号 [雑誌]
MODEL Art (モデル アート) 増刊 帝国海軍重巡洋艦総ざらい 2014年 07月号 [雑誌]
MODEL Art (モデル アート) 増刊 帝国海軍軽巡洋艦 総ざらい 2014年 10月号 [雑誌]
MODEL Art (モデル アート) 増刊 帝国海軍戦艦総ざらい 2015年 01月号 [雑誌]
帝国海軍 大型補助艦艇総ざらい 2015年 04 月号 [雑誌]: モデルアート 増刊
帝国海軍潜水艦小型補助艦艇総ざらい 2015年 09 月号 [雑誌]: モデルアート 増刊

艦艇模型データベース2020年度版1巻,2巻 (2020)

 いずれもモデルアート社

 “1/700日本艦艇の最新時事情が隅々まで把握できる”とのキャッチコピーの元、太平洋戦争以前の日本艦艇に絞った模型のデータベースです。艦艇モデルの辞書的なイメージです。

 フルハルモデルや過去の限定版含め、メーカー廃番になっていないインジェクションキットは全て掲載されています。日露戦争の艦船や計画艦まで含まれています。

 同一艦でのメーカーごとの差や設定時代の差も細かくフォローされているので、どのメーカーのどの時期のモデルを作るかの選択にも役立ちます。

 また、プラ製アクセサリーや、エッチングパーツを紹介ページもあり、ディテールアップ派も重宝します。

艦艇模型データベース2020年度版1巻,2巻

 前バージョンは2013年発売で、大型書店ではまだ売られていました(本の表紙もそっくりです)。当然最新のデーターが載る本書の価値が高いのでこちらが断然お勧めです。

 2013年版から見比べると、ここ7年で発売された模型から最近の艦艇模型の充実度が実感できます。

 工作艦明石、給糧艦間宮、回天搭載型の北上など、つい最近までは模型化自体が考えられなかった艦が複数メーカー品から選べるとはホント~に良い時代になりました。(ついオッサンが入ってしまいました。。)

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1/700艦船模型データベース2020年版(1) 2019年 12 月号 [雑誌]: モデルアート 増刊
1/700艦船模型データベース2020年版(2) 2020年 03 月号 [雑誌]: モデルアート 増刊

日本海軍艦艇写真集  (呉市海事歴史科学館図録―福井静夫コレクション傑作選) (2005)

ダイヤモンド社 呉市海事歴史科学館:編 戸高一成:監修

戦艦・巡洋戦艦
航空母艦・水上機母艦
巡洋艦
駆逐艦
潜水艦・潜水母艦
別巻 戦艦大和・武蔵

 前書きには本書の目的として、<日本海軍艦艇の芸術的デザインを鑑賞できること>、とあります。この目的に偽りない写真集です。

 各写真は海軍工廠が艦艇の建造記録として公式に撮影保存したものです。いろいろな本の中でやたらと良く撮れた写真が含まれていることありますが、原版はこの本の写真と同じだと思います。

 公式写真だけあって、各写真のクオリティがとにかく高いです。ほとんどの写真が1ページに1枚づづ掲載されているので写真が大きい点もポイントです。

 波を蹴立てる全力公試中の写真や、航空艤装の研究用の空撮などもピントがあい、明度も丁度良い写真が多いです。公式撮影以外の写真も交じっておりますがそれらの写真も傑作選にはじないクオリティです。

 このサイトでの模型写真もこの写真集のような美しいものになるように模型作り、撮影とも工夫していきたいです。まだまだ道半ばですが、情景写真への道1(停泊艦)もご覧ください。

 各巻とも2005年発売とやや古いので、プレミアム価格のものもあります。私は近所の図書館で借りて鑑賞しています。

 補足ですが航空母艦、水上機母艦の巻は、戦艦などの巻に比べてページ数が3/4程と少ない上、そのうち1/3程がなぜか?砲艦の写真になっています。

 また、写真の数にかたよりがあり祥鳳、龍驤赤城および加賀の三段空母の写真は数があるのですが、それ以外の空母の写真は僅かです。千歳、千代田など1枚しか写真が無い空母もあります。

 大戦中の空母の写真が非常に少ないことが良く判ります。空母では特に敗戦時の資料処分をがんばりすぎたのでしょうか??。

 このサイトで紹介の情景写真の撮影方法(情景写真への道(停泊艦))を駆使して、こうした写真をよみがえらせたいです。

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日本海軍艦艇写真集 戦艦・巡洋戦艦 (呉市海事歴史科学館図録―福井静夫コレクション傑作選)
日本海軍艦艇写真集 航空母艦・水上機母艦 (呉市海事歴史科学館図録―福井静夫コレクション傑作選)

日本海軍艦載兵器大図鑑 (2002)

 KKベストセラーズ 、定価3900円(税別)

 読み物的な要素は無く、まさに参考資料といった感の本です。日本海軍の兵器を上下左右の全方向から見たCAD図面が掲載されています。兵器の大きさは様々なので縮尺は統一されていません。

 しかし、人(身長170cmの水兵さん)の大きさと比較することで大きさをイメージできます。この本が模型作りに特に役に立つのは以下の点です。

日本海軍艦載兵器大図鑑
KKベストセラーズ

1)搭載機銃の数、搭載時期が艦毎に詳細に記載されている点

 一例をあげると、戦艦長門への九六式二十五粍単装機銃(25mm単装機銃)の搭載数は、1944年5月に8基、同7月に30基、同11月に18基、1945年3月に撤去とあります。

 これらの情報は軽巡洋艦以上の軍艦以外にも駆逐艦、砲艦、海防艦、駆潜艇、輸送艦の小型艦艇まで何と“艦毎”に書かれています。

 そのため、同型艦の作り分けや時代設定に大変役に立ちます。ただ、設置場所までは書かれていないのでそこは、設置場所が解っている類似の艦から推定するなど各モデラーの腕の見せ所ではないでしょうか。

2)主砲の付属品の変遷
 戦艦、重巡洋艦の主砲では機銃座や、無線空中線支柱が設置、撤去されます。その時期や何番砲塔に設置されたがわかります。

3)外観で区別がつきにくい駆逐艦の主砲の違い
 模型に反映できるほどの差かと言われると厳しいですが。この知識をもって模型を改めて眺めると違いが見えてきます。

日本海軍艦載兵器大図鑑
KKベストセラーズ
他の本とは全く毛色が違ので参考までに内部を載せました。このようなページが延々続き情報量多いです。

 これ以外にも、それぞれの兵器の各種データー(砲員、重量、射撃速度等々)や兵装の解説も豊富で、模型作りへの理解も深まります。

 敗戦に伴いデーターが散逸したのでしょうか、残念ながら魚雷発射管ではこれらのデーターが不明になっています。

 また、本書での解説を読むと艦隊型駆逐艦に搭載された主砲の対空射撃能力が、発射速度のデーターから貧弱なことが良く解りました。

 余談ですが大和型戦艦の主砲の正式名称が九四式四十糎三聯装砲塔であり、40cmと表記することで機密保持への配慮がされていることを本書で初めて知りました。

 古い本なので絶版になっており中古本しかなく値段も張ります。私は図書館で借りました。再販希望です。

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日本海軍艦載兵器大図鑑

アナタノ知ラナイ兵器1~5巻(2009~)

 こがしゅうと著 大日本絵画

 この本は模型作製の資料にもなりますがマニアックはネタ本として面白いので取り上げました。作者こがしゅうと氏の好きな兵器を世間での知名度、人気にとらわれずに選びイラストと文章で紹介しています。

 好きな兵器を紹介しているということにより、ここまでやるか?というような細部へのこだわりや紹介文に熱があります。

 また、兵器のイラストが端正で見やすいです。いろいろな角度から見た兵器がスクリーントーンにより陰影がつけられ立体的に破綻なく描かれています。

 デッサンをしっかり勉強された方とお見受けします。2020年7月現在で5巻まで出ていますが、本サイトで関係しそうな艦船は以下の通りです。

 花形の戦艦、艦隊型空母、巡洋艦、艦隊型駆逐艦は出てきません。一方、本書で紹介の軍用機には零戦、飛燕、雷電等のメジャー処も含まれているのとは対照的です。

 これらラインアップを見ると作者は戦訓に基づき、人的/物的資源の制約の中、最大の効果を上げるべく合理的に設計/製造された兵器を好んでいるのがわかります。

 さらに、甲標的、海龍、大発、内火艇、特四式内火艇の小型舟艇、艦載兵器がそれぞれ“独立”してスペースを割いて紹介されています。

 これ以外にも艦載の電波兵器類や機関銃、高角砲なども紹介されています。これらは小さすぎて1/700の模型に反映するのは厳しいですが、各部品の詳細を事を知ることで模型作りがより楽しくなります。

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アナタノ知ラナイ兵器3: イラストで見る末期的兵器総覧
アナタノ知ラナイ兵器4
アナタノ知ラナイ兵器5: イラストで見る末期的兵器総覧

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