模型専用のカッチリした棚があると良いのですが我が家にはそんないいモノは無いです。
そこで、安価に揃える展示ケースで紹介の通り、100均等で購入したプラ製展示ケースを壁の相当の高さ(約180cm)まで積み重ねて使っています。ケース積層数は最大10段積みです。
ここで恐ろしいのが地震です。丹精こめて作った模型が一瞬のうちに崩れ落ち壊れるのは悪夢です。そのため耐震には少しの時間、お金はかけた方が良いと考えます。
このぺージでは私が行っている耐震の工夫を紹介します。
この記事のアップは2021/3/6で東日本大震災から丁度10年のタイミングとなりました。
また、直近でも2024/1に能登地方でも大規模な震災が発生しています。
前提として
・ プラ製の展示ケースを積み上げた展示をしている
・ 頻繁に模型を出し入れする
・ 模型鑑賞の邪魔にならない
・ 省スペースである
・ お金がかからない
これらの条件を満たすように工夫しました。作った模型を眺めつつ写真を撮ったり、気になった所は改造修正する。この楽しさを犠牲にはできません!。また、お金は模型に使うのが基本です!
なお、2021/10/7夜に起きた地震(東京、埼玉震度5強)では私の自宅(千葉県)は震度4でした。模型は二階に置いてあるため結構揺れましたが、以下の対策のおかげで模型被害はゼロでした。
2022/3/16夜の地震でも被害0でした。(私の自宅は震度4)。私は単身赴任先の福島県いわき市にいたのですが震度5強でかなり恐ろしかったです。布団をかぶったまま動けませんでした。
これらの地震で(模型に関わらず)被害にあわれた方にはお見舞い申し上げます。
また、千葉ではさほど揺れませんでしたが、2024/1の能登地方での震災では大きな被害がでました。被害にあった方にはお見舞い申し上げます。
千葉の自宅での展示状況をです。耐震対応していなければひとたまりもないです。
対策1 最上部に崩れ防止のL字金具を設置する
写真の通り、最上段にはL字型の金具で固定して、積み上げた最上段のケースを上から抑えています。
ここには2点工夫をしています。第一の工夫は、L字金具のケースを抑える側には厚手のフェルトを張り付け、展示ケースを固定しやすくした点です。
第二の工夫は、L字金具を止めているのが画びょう的なものではなく、石こうボード用の留め具(マジックロックシステム;積水ハウス)を使っている点です。
この留め具は壁の中で針が3方向に埋め込まれるので、引き抜く力にも、L字金具の回転にも強いです。
展示ケースを設置する際にはL字金具を9時方向に回転させてずらし、ケース設置後再び6時方向に回転させて固定しています。
これにより展示ケースの出し入れのしやすさと、耐震とを両立しています。L字金具とフェルトは100均でも買える汎用品です。
この固定具はホームセンターで売っています。少し値が張りますが、ここはお金を掛ける所です。
ネットで見ると石こうボード用の留め具としてJ型フックとセットで、福井金属工業さんという会社より出ていました。
Amazon
福井金属工芸 JフックS(シングル) 2個入 安全耐荷重7kg 賃貸 抜き跡目立たない 石膏ボード・木壁対応 絵画 壁掛け展示 4292
対策2 レンガ積みのように展示ケースをずらして積層する
最上段だけですが、展示ケースを半分ずらし1つの展示ケースを2つの展示ケースにまたがるように積層しています。
重巡クラスのサイズが入る、ラウンドディスプレイケースワイドを多用していますが、この展示ケースではケース同士を垂直に積みあげる以外にもずらして設置してピッタリ収まるような加工がされています。
これを利用してずらしておくことで、展示ケース積層の層体全体の強度を高めています。当然ですが写真の通り、対策1のL字金具も併用しています。
(空きスペースには小型のケースを置いて1/76の戦車の模型を飾っています。)
対策3 ケース上部に抑え部材を入れて動きを抑える
展示ケースの場所を選びますが、地震対策のツッパリ棒の感覚で展示ケース上部に隙間を作らないようにしています。
これは地震対策で推奨される方法ですが、効果大で展示ケースが殆ど動かなくなります。隙間を埋めている抑え部材を外すと、ケースの出し入れも簡単です。
下の写真の中央にある白いプラスチックの円柱がそれです。何かのプラ容器を切断して高さを合わせたものです。ありあわせの材料で十分です。
下の写真では小型の展示ケース自体を抑えに使っています。このような配置にできるように、予め高さを測って棚を設置しています。省スペース+耐震の両立です。
この対策の変形版です。模型ケースを積んだ高さが丁度近くの家具と同じくらいの高さの時にのみ使える小技です。固定金具の片一方を家具の上面にネジ止めして回転できるようにします。
展示台を外す場合は固定金具を家具側にまわし、展示するときはこれを展示ケースを支えられるように回転させます。
固定金具のもう片一方にはフェルトをくっつけて、展示ケースの上面の高さに合わせるとしっかり固定され耐震効果が高くなります。
固定金具、フェルト、ネジとも100均でも購入できるものなので安価な耐震方法です。
対策4 ケース前の一部に支えがある場所に置く
ケース前面の一部に壁的なものがある位置に設置するのも前への倒れこみを防ぐための方法です。
展示ケースをカバーする面積が大きいと鑑賞の邪魔になりますが端が一部隠れるくらいであれば許容できます。壁スペースの有効活用にもなりますので、これも耐震+省スペースです。
対策5 ゴムマットを敷く
横揺れが激しいとケースごと動いてしまうリスクがあります。そこで展示台1段目の底と置台の間には薄いゴムマットを敷いています。
耐震ゲルの方が強力だとは思いますが、こちらはただのマットなのでべた付きもなく、一度敷いてしまえば取扱い上の不便はないです。
100均にもカーペット類のズレ防止シートや、窓ガラス用の目隠しシート等、使えるものがあります。
しかし、管理人お勧めはニトリに売っている、<キッチン用防虫シート>です。これは厚みが1mmより薄い割には、ゴム的な性質が強いため振動による移動を防止する力が強いです。
カーペットズレ防止のシートは厚みがあり、窓ガラス用のシートは弾性が少なく効果が低いです。模型なので防虫は関係ないのですが普通のすべり止めシートより薄くお値段は殆ど変わりないです。
薄さと防虫の分お値段以上です。
対策6 ケースの裏に鉄のオモリ(バラスト)を貼る
磁石を仕込んでいる艦艇、積み重ねの下段限定ですが、プラケースの裏に鉄版を張り付けるのも耐震に有効と思います。
効果としては、ケースが傾いたり、横方向への強い力が働いてもケース内部の模型が動かない点です。耐震ゴムを敷く事の強力版といえます。
加えて、ケース自体が重くなり動きにくくなるメリットも期待出来ます。積層したケースの下の段に使うと船舶用語でいうボトムヘビーになり安定します。
最上段のケースにこれをつかうとトップヘビー(船好きには不吉な言葉ですよね)となり、不安定化するのでお勧めしません。
複数の金属板を展示ケースの台の裏面にこんな感じで張り付けます。艦艇模型ファンの皆様には見覚えある板ではないでしょうか。
そう、ウオーターラインシリーズのバラストです。この方法を思いつくまえには結構な数を廃棄しておりました。今思えばもったいなかったです。
上段に置く場合は、バラストをネオジム磁石に替えると重量が増えずに完全に接着できます。さらにケース蓋が外れないようにテープで止めると、落下しても耐える可能性もでてきます。
究極の耐震策です。磁石の数は必要ですが模型の破損を考えるとやすいものです。
終わりに
地震で展示ケースが崩れると時短作製もあったものではないです。いつ来るかわからない地震ですが、できるだけのことをしておいた方が後悔ないです。
今回紹介の方法はお金も時間も大したことはないですが、効果は実証済みです。
お部屋や艦艇模型の展示状況に合った複数の方法を組み合わせて、修理や片付けではなく新模型作製に時間を使い、艦艇模型市場をもりあげましょう。
あと、模型に限らず耐震の準備は大事ですよ。