艦載機の時短量産法について
空母には艦載機を満載したくなります。大戦中盤以降はこういった場面はなかったのですが。
艦載機作製は単純作業のため、船体の作製に比べるとモチベが上がらないのですが、なるべく楽に量産する方法をご紹介します。
ウオーターラインシリーズの艦載機は1機1パーツで組立て不要です。楽なのですが、成型の制限で主脚の先端がすぼんでおり車輪や車輪カバーの場所が細く実感を損ねています。
最近のキットはこの解消のため、主脚が別パーツです。さらにキットによっては主翼や、尾脚まで別パーツになっているものもあります。(これはやりすぎだとはおもいますが)
ここでは艦載機、艦上機を量産する方法を紹介します。
基本は、効率アップ!時短組立てで紹介した通り、機体部品をランナーに接続したままで作製する方法です。これにより持ち手部分(ランナー部)を確保し、着色や部品の組み立てが楽になります。
すべてに共通なのは同一機種を複数同時作製により作業をまとめることです。数が多すぎると苦行になるので、飽きない数をうまく設定してください。管理人は10機ぐらいまとめて作っています。
艦載機パーツが灰色の場合
二色塗装(上面が濃緑色、下面が灰白色)の機体を、成型色が灰色の機体から作る方法です。
〇工程1) まずはランナーにつながった場所を1か所だけにして、切断した部分をトリミングします。最後にランナーを切り離した後の修正で楽をするためです。
写真ばピットロードの本土防空戦のパーツの紫電改です(信濃でテストされた艦上戦闘機型の設定)。ランナー部は大きく切断した方がよいのですが、今回は隣接パーツ配置の関係で小さくなりました。
〇工程2) 機体上面をフラットグリーン(タミヤエナメル)で筆塗りします。
飛行機モデルで指示される暗緑色よりも薄い色ですが、空気遠近法を意図しており、暗い色より艦艇に搭載した時にリアルに見ます。これよりも薄い色でも良いと思っています。(上の写真では背景色の関係で実際より濃く映っています)
筆塗りによりマスキング不要な上、一定のムラがでてリアルになります。
〇工程3)細部の塗装をします。翼の前端の敵味方識別表示のグリーンイエロー(タミヤエナメル)、日の丸(赤サインペン)、キャノピー(銀)などです。
敵味方識別標識は筆ではなく”つまようじ”の側面で、翼前端に色を載せるように塗装します。黄色の幅が広いと実感を損ねるためです。
日の丸は転写シールも入っていますが、作製速度重視の場合にはサインペンの方がよいです。赤サインペンでクルクルっとするとおわりです。管理人は100均のホワイトボード用赤マーカーを使っています。
キャノピーは、リアル志向の方は黒系(ジャーマングレーなどの濃い灰色)のほうが実際にちかいと思います。これでは地味なので管理人は銀色にしています。
また、カウリングが黒の機体(零戦52型、天山、99艦上爆撃後期型)もこの工程で黒に塗り、ついでに主脚の車輪部分も塗装します。
主脚以外の小部品もここで接着します。爆弾(黒)、魚雷(ガンメタル、色が正しいかは微妙ですが模型映えのため選定しています)
機体正面から見たエンジン前面部分は、塗り忘れて成形色のままになることが多く要注意です。実は目立ちます。ここは機体上面色、ガンメタルなどで塗装します。
〇工程5) 最後の工程として主脚を接着後ランナーから切り離し、切り離した部分必要にも色を塗って完成です。同時に最後の塗装チェックをします。
機体正面のエンジン部分の他には、垂直尾翼は塗り忘れが起こりやすく横から見ると目立つため要注意です。
一色塗装(上下面とも灰白色)の機体でも基本的に同じです。上の工程2)がないだけです。
艦載機が透明パーツの場合
フジミ模型の艦載機で良く見ます。別部品であるキャノピーを未塗装で接着するとリアル度アップのため管理人は好んで使っています。
〇工程1) 成型色が灰色の時と同様ランナーにつながる場所を1か所にした後、キャノピーパーツをマスキングします。ここを省略するとせっかくの透明部品を生かせません。
〇工程2) 機体下面色(明灰色、もしくは銀色)のスプレー塗装をします。
この時初期の零戦や、99艦爆の全面灰色の場合は上面からもスプレーします。機体上面が緑色の場合でも上面側からもスプレー塗装をしておくと、主脚、落下タンクなどの部品の塗装も済みます。
そのため、上下面とも塗装してしまうのが無難です。
〇工程3) 次に機体上面色が緑の場合にはフラットグリーンで上面色を塗ります。そのあと、日の丸などの小面積/小物類の塗装をします。ここは、灰色で上面色が緑色の機体の場合と同じです。
〇工程4) これらの塗装が終わった後、キャノピーを接着します。管理人愛用のフジミの艦上機では、キャノピーと機体本体とを合わせるための凸部分が大きく収まりが悪い場合があります。
そのため、キャノピーがランナーについた状態で凸部分をニッパーで少し切り落とします。
主脚をつける直前でこんな感じになります。透明キャノピーが気に入っています。
艦載機が緑色パーツの場合
機体上面色である濃緑色で成形された機体もあります。これば、ウオーターラインシリーズや、フジミの特EASYシリーズで見ますが、例は少ないです。
緑色が濃すぎるので上面色も塗りなおした方がよいと思います。この場合、いったn機体下面色で全面塗装したあとフラットグリーンで塗りなおします。
このように、他の成形色パーツよりもひと手間余計にかかるだけで、あえて使用する必要もないです。管理人は使っていません。
使用例
こ艦載機を多数作ると満載した艦艇とすることができます。これがうれしく、作製中の苦労を上回ります。
作例を下に挙げました。
艦載機の種類ごとの一覧は、作製のお供(資料紹介)に掲載の帝国海軍総ざらいシリーズ航空母艦編にでています。ご参考ください。
主要機体では灰色、透明の双方がある場合が多いです。上の説明も選択時の参考としてください。