エッチングパーツを使わずに、安価、手軽なディテールアップ手法の紹介ページ第一弾です。
煙突は艦の中央に位置することが多く、体積も大きいので目立ちます。
煙突には管(パイプ)状の蒸気捨管や、炊事室煙突が取り付けられており、大型の煙突ではこれが精密さのポイントになります。
最新のキットではこれらのパイプが別パーツで表現され、精密度アップに一役買っています。(フジミの重巡熊野)
しかし、2008年以前のキットではパイプ類が別パーツでないキットが多いです。その場合はモールドでの表現になりますが、断面を実際に近いパイプ(柱)状にすると成型ができません。
安定な型抜きのためには上部がすぼまった形状(下図の上段)になりますが、どうしても平坦な表現になってしまいます。
ハセガワの重巡古鷹型(古鷹、加古、青葉、衣笠)の煙突はこの方式で作られています。というか、煙突周りの配管類が別パーツでなければこうなるのは仕方がないです。
本HPの作製は極力素組というコンセプトですが、模型間の差が大きいとコレクション的によろしくないです。
なるべく目立つポイントに対して手間&お金をかけずにディテールアップする対象として、煙突に設置されたパイプ類はねらい目です。
ここでは煙突周辺の配管類のディテールアップ法を紹介します。
今回例として挙げるのは、重巡古鷹型(加古、衣笠)(ハセガワ)です。上で紹介の青葉の同型艦です。2007年発売のウオーターラインのリニューアル版で、キットの出来は悪くないのですが、煙突の配管類のモールドが寂しいです。
この古鷹型は他社から発売されていないので、これを例としてディテールアップしてみます。
今回の作例は重巡洋艦衣笠(ハセガワ)です。
やり方は単純です。キットのモールドを削り落とし0.5mm径の金属線(銅、真鍮が加工しやすくお勧め)か、ウオーターラインの大型兵装セットのパーツ28、または小型兵装セットのパーツ18の煙突配管部品に付け替えるだけです。
0.5mm選定の理由は兵装セットパーツの太さに近いためです。配管が直線の場合はプラパーツを使った方が接着が楽です。
上の写真が塗装前、下が塗装後です。塗装前だと新設した配管が目立ちすぎますが艦艇色に塗装すれば大丈夫です。
この改造をせずに作製した重巡青葉と並べています。煙突部分にご注目ください。これを見ると青葉も再加工したくはなるのですが、場所が難しく手がだせていないです。
簡単なワンポイントディテールアップで、手間以上の効果があると思いませんか。ハセガワの古鷹型のようにベースの素性が良ければ、一世代前の模型でも最新模型と並べて違和感なくなります。
重巡洋艦加古でも同じワンポイントディテールアップで作製中なので完成時には追加紹介します。
お勧めの改造対象としてはタミヤの最上型、アオシマの利根型、フジミ,ハセガワの妙高型などです。
船は煙突を中心に認識する場合が多いらしく、ウチの娘(まったく船に興味無し)も、横須賀の戦艦三笠を見せたときは、2本煙突のお船と言っていました。
煙突のディテールアップが有効だと思う理由の一つです。
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