くっきり写せるピント合わせ術
元々持っていた一眼レフ(Canon Eos KissX8i)を使って撮影しています。模型写真を撮り始めてわかったのですが、意外と奥深くいろいろ試行錯誤中です。
艦艇模型の場合は撮影対象が前後に長いので、すべてにピントを合わせるのが難しいです。ここへの対応がポイントです。基本は以下の方法で撮影していますが継続改良中です。
- 絞り優先モードを選択する(私のカメラの場合はAvのダイヤルに合わせる)
- 絞り値を(f/29)と最大に設定し、船体の前後でもピントが合うようにする
- 感度ISO感度を小さめ(400以下)に設定し、画質を良くする
- 三脚は必須。上の設定だとシャッタースピードが遅くなるため
- セルフタイマー2秒で撮影。シャッターを押すときのブレ防止のため
- なるべく日中の天然光で撮影する。(管理人の場合は土日限定になりますが。。)
重巡洋艦利根を使った撮影例です。後半の2枚はこのページで紹介のレフ版を使った撮影を始める前なので画面暗めですがご容赦ください。
絞り優先で撮影した写真では、露出時間(シャッターが開いている時間)が長いことにご注意ください。三脚無しでは確実にブレてしまいます。
使用機材
- カメラ: Canon EOS Kiss X8i
- レンズ: EFS18-55mm (本体付属の標準レンズ)
- 三脚: Fotopro DIGI-204 (¥2000弱で購入した汎用品)
- 背景紙: グラデーションペーパ単色グレー GP-C2
- 海面板: 透明塩ビ板(アクリルサンデー)スモーク
照明: LEDクリップライト オーム電機LTL-C6-4 (汎用卓上ライト。最近使ってません)
模型撮影のためだけに購入したのは背景紙と、海面用のプラスチック版だけです。それ以外は普段使っているものを流用しています。
模型写真を撮り始める前は2秒のセルフタイマーの使い道がわからなかったのですが、今は重宝しています。
写真撮影の本を読むと模型などの静物写真撮影には、背景紙と三脚は必須とありますが納得です。背景は無色の壁や画用紙でもいいと思いがちですが、グラデーション背景紙があると一味違います。
*2020/4 海面板を新調し、大型艦の写真を撮れるようにしました。
透明塩ビ板(アクリルサンデー)の
スモーク(上)、青(下)を重ねてます。そのままだと表面が平滑で光沢があり過ぎるので、半光沢のトップコートを吹きました。
船体が少し海面板に映るぐらいに微妙に調整しています。詳細は写真に有効!海面光沢調整をご覧ください。
*2020/5 上の方法から一部変更しました。透明塩ビ板(アクリルサンデー)の
スモーク(上)の下に水色の模造紙を敷き、一番下にホワイトボード用の鉄板を敷く構成にしました。
船体の反り防止のために艦の内部に磁石を仕込んだ艦への対応のためです。磁石が鉄板に密着して、海面板からの不自然な浮きを少なくしてくれます。塩ビ板の2枚重ねだと磁石の付きが悪くなります。
*2023/3 いわき市内の単身赴任先にも写真用ブースを新設しました(第2スタジオ)。向かって右から光が当たる仕様は千葉の自宅と同じです。似た写真が撮れるのではと思っております。
手前のグラデーションペパーの下には、いわき小名浜付近で撮影した海の写真を拡大した背景紙とセットし、情景写真も撮影できるようにしました。
模型写真の撮り方については、
Hobby Japan extra 2017 vol.8 模型をカッコ良く撮りたい
も参考にしています。模型写真に特化した珍しい本で一読の価値あります。
ガンダム、カメラの内容が多いですがスケールモデルに関する写真撮影法の記事もあります。
Amazon
グラデーションペーパー単色(グレー) GP-C2
上の写真にある背景紙です。大型艦の撮影も大丈夫です。
ホビージャパンエクストラ 2017 Autumn (ホビージャパンMOOK 826)
次のページは、(なんちゃって)レフ板の応用法を紹介します。
光を操るレフ板
撮影時はレフ版を使うと、より明るい写真にすることが出来ます。特に輸送船タイプの艦橋前面が平面な艦ではこの部分が影になると、艦の顔である艦橋が真っ黒に写ります。
ここでレフ板を使うと良い具合に艦橋前面に光が当たります。特設潜水母艦平安丸、特設巡洋艦粟田丸(水上機母艦君川丸改造)を使った撮影例です。
ここで使っている、(なんちゃって)レフ版は100均のホワイトボードです。真っ白な平滑で光が良く反射し、軽く値段も安くパーフェクトです。
これを艦橋の前面側に光を反射できるように立てるだけで十分に効果があります。
このとき、海面にホワイトボードの反射がうつりこまないよう、艦が置いてある側の海面板にホワイトボードを鋭角に立てないようにします。ホワイトボードがうつりこむと写真が台無しです。
戦艦扶桑をつかった撮影風景です。
必ずレフ板を使うと必ず良いわけではなく、艦の種類によると思います。好みで選んでください。
レフ版を使うと全方向から光が当たるため全体が明るくなる一方、陰影が無くなり立体感が出にくくなります。
逆に使わない場合には陰影が協調されドラマチック(と言うと大げさですが)な立体感出せます。当サイトでは主に商船タイプの船で艦橋前面が影になるのを防止するのに使っています。
ここから下の写真はレフ版の使用是非に甲乙つけがたく迷った例です。好みによりわかれると思います。軽巡洋艦名取、香椎を使った例です。
要は、簡単な部材を使って光をコントロールできるということです。うまく使って写真の幅、表現を広げてみてはいかがでしょうか。
ほかにも赤レフ版を使った夕暮れ表現や、黒レフ版での明るすぎの解消、完全反射の銀レフ版で南洋の明るい直射日光を表現する等々、の工夫ができると思います。
いろいろ試し面白い写真が撮れるようになったらアップしていきます。
情景写真への道1(停泊水上艦)をアップしました。ここで使った小技も使って情景写真テイストにしています。撮影法、写真加工法、ギャラリーをご覧ください。(2021/5)
撮影部屋のカーテンの応用(レフ版もどき)
レフ版ではありませんが似たような効果を部屋のカーテンを使って出した例です。当サイトの撮影部屋のカーテンは黄色です。
通常の撮影では影響を受けないようカーテン全開で撮影しますが、古い写真の感じを出したい場合にはカーテンをあえて使って撮影します。
すると、部屋全体が黄色っぽくなることを反映して、退色した感じをだすことができます。
第二次大戦中の写真としては古すぎますが、それ以前のより古い写真の雰囲気を出せます。
上の写真は外部からカーテンを通す光で撮影していますが、夜間にカーテンを閉めて部屋の電灯を使ってカーテンに光を反射させても同じ効果を出せます。
これを応用すると、他の表現の幅が広がると思います。ベージュ色のカーテンだとセピア調の写真にできるとか。
そのためにカーテンの色を変えるのは家族への説得が大変かもしれませんが、ウデの見せ所です。こうした手法もつかって撮影した写真も今後紹介していきます。
Gallery 巡洋戦艦金剛(1914)をアップしました。(2012/2)