情景写真への道4(走行波)

1/700艦艇模型での波表現 走行波

 走行波、航跡波、ウエーキーなどで知られる船体周辺に発生する波の表現方法についてご紹介します。

 海面の波については情景写真への道3(波/空)で、セロファンを使う簡便な方法を紹介済みです。

 ただ、このままだと港内に停泊している状態にしか見えないです。

 今回は船体周辺に発生する波の簡便な表現方法を紹介します。最終的には下のような写真を簡単に撮影するための方法です。

 上にリンクを張った情景写真3(波/空)に加えピンボケ防止の写真術と、情景写真への道1(停泊艦)のテクニック?をつかうのが前提なので、これらもご覧ください。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,
軽巡阿賀野(フジミ)

 煙突からの煤煙がまだですが、航行中の写真までもう少しです。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,

 こちらが従来の写真です。動いているようには見えません。波が立っているのに、船体にぶつかる波が表現されていない変な写真になっています。

船体全体で発生する小波

 試行錯誤しましたが現時点でのベストは <白い紙の挟んで端を折り曲げるだけ>です。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,

 真横(ローアングル)から見ると波に見えますが、

1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,
1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,

 斜め上からみるとこんな感じです。

 艦艇模型の反り(そり)矯正でご紹介の通り、管理人の模型には磁石を設置しています。そのため紙を挟んでも海面板に密着させることができます。

 磁石を入れても船体と海面板とが完全密着せず隙間が空く場合があるのですが、紙を入れると塞がれこの問題も解消されます。

 停泊中の写真にも応用できます。停泊中でも船体に打ち付けられてた小波があるのでこの方がリアリティがでます。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,

 使っているのは端を波状に切断して1mm以下の幅で折り曲げた紙です。誰でもすぐに作れます。1mmの幅でも1/700では70cmという結構な高さになるため、この幅は広くなりすぎないよう要注意です。

 純白の紙で波が目立ちすぎると思う方は、薄い色つきの画用紙を使っても良いです。最近は100均でも購入できます。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,
1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,

 大型艦、小型艦でも同じように対応できます。小型艦の方が折り曲げ幅が小さいほうが良いです。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,

 キレイに作りたい場合には、船底板のラインに沿ってコピー紙でトレースをしつつ、その外周りを1ミリほど残して、波状に切り抜くと良いです。同型艦には流用できます。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,

 さらに楽をしたい場合には長さ5~10cm程度の紙を複数使うこともできます。合わせ目ができますが、面積が小さく目立たないのでフォトのスポット補正で修正できます。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,
1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,

 上下同じ写真で波なし版です。下は港内に停泊中の写真とした場合には問題ないですが、動きがかんじられません。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,

 姉妹艦、愛国丸(手前)、報国丸(奥)の並走シーンです。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
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 舞台裏はこんな感じです。凝ったことはしていません。波の位置合わせは重要です。

艦首に発生する波

 船体に打ち寄せる小波の表現ができるようになったので、次は艦首の走行波です。海面板の下に鉄板がある前提で磁石で作製します。

 利点は何と言っても、接地面がピッタリくっ付くことに加えて、移動可能なことです。簡単に波の位置を変更し写真を撮れます。ずれていた場合はすぐ微調整です。

①   艦首走行波が小さい場合(いわゆる巡行速度)

 分厚いゴム磁石を横から見て波の形に見えるように削りだし、白っぽく塗装したものを使います。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
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 分厚いゴムは100均(これはダイソー)で入手できます(左)。これをカッターで加工します。ゴムなので簡単に削りだすことができます。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
How to make the wake in 1/700 ship models,

 3mmの厚みを最大限活用すると、2m10cmという、結構な高さの波を表現できます。接地面部分を少し彫ると、本当の走行波のような造形ができ立体感が出せます。

 色はフラットホワイトでは白すぎるので、サーフェサーの灰色としました。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
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 横から見るとこんな感じです。

1/700艦艇模型での波表現
走行波
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 モノクロ化すれば艦首波だけでも雰囲気はでますが。

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走行波
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 情景写真への道3の方法を併用し、船体周りの波も再現するとこんな感じです。
 残るは煙突からの煤煙ですね。

  小型艦艇や、低速の艦艇でより走行波が小さい場合には、厚みが薄くなるように削ったり、より厚みの薄い磁石を使うこともできます。

②    より白波を蹴立て走行している場合(戦闘時や全力公試時)には、薄いシート状磁石に、白波を模した綿をつける表現もできます。

 シート状磁石には片面側が両面テープで、ここに部材を貼り付けられるものもあります。これを使うと更に手軽に作ることができます。

 以下、工事中。

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