
球磨型軽巡洋艦4番艦の大井の高速輸送艦時代の姿です。大井と球磨型3番艦の北上は片舷20射線を持つ超強力な魚雷攻撃力を持つ重雷装艦に改造されています。
しかし、自慢の魚雷装備を実戦で使う場面はついに訪れず、被弾にも極端に弱いこともあり、両艦とも1942年中に魚雷発射管を一部撤去し高速輸送艦に改装されました。
その結果、大井では片舷で8射線と朝潮型以降の艦隊型駆逐艦同様な兵装になっています。
大井の重雷装艦以降の状態は機密度も高かったこともあり精確な資料は残されておらず推定を交えているようです。
発射管を撤去した後には、小型の上陸用舟艇である10m特型運貨船(小発)を搭載しました。重雷装艦時代の左右に拡張した甲板がこれらの搭載にとって利便性が高かったのでしょう。
このアオシマのキットは2017年に発売された最新版です。これ以前に唯一のキットであったピットロード製と違い大井、北上のみに搭載されたと言われる魚雷発射管のハーフシールドが再現されている点が優れています。
魚雷発射管が並んでいた甲板は、ピットロード版が金属甲板としたのに対し、アオシマ版ではリノリウム張りになっており解釈が異なっています。
アオシマの北上は限定版扱いで最近殆ど店頭で見なくなりつつあるので、北上のベースキットとしても有用です。但し、第一煙突の高さが北上では他の2本より高いのに対し、大井では3本とも同じ高さのため、北上へ改造するときには要注意です。
艦橋形状も微妙な違いがあるのですが、こちらは余程のマニアでない限り分からないと思います。

模型水線間長22.9cm
マストを金属線に交換






アオシマ 1/700 軽巡洋艦 大井(1943)高速輸送艦
Aoshima 1/700 Light Cruiser Oi
発売年:2017
同型艦の他社模型:ピットロード(1999)
キットの内容はここで紹介した高速輸送艦と重雷装換装時とは同じです。高速輸送艦状態は限定版扱いでネットでの価格も高いですが発射管の数と小発の取り付けが異なるだけです。
キットは同じなので通常版の重雷装換装時を購入しても問題ありません。
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青島文化教材社 1/700 ウォーターラインシリーズ No.360 日本海軍 軽巡洋艦 大井 重雷換装時 プラモデル
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