
風早型タンカーの2番艦ですが見ての通り通常のタンカーとは異なり、水上機を運用するための飛行甲板が設置されています。
このような変わった艦があることは、この手の本を数多く読んでいる私でも戦時輸送艦ビジュアルガイド2のP 52に小さく掲載されているのを見るまで全く知りませんでした。
実艦の写真も沈没しかかっている状態を、攻撃した米潜水艦により撮影されたものがあるだけのようです。インジェクションキット化された模型の<意外さランキング>ではぶっちぎりの一位です。これもまさに”艦これ”の恩恵ですが、艦これでキャラが設定された事自体が大きな驚きです。
ミッドウェーでの大敗北で、航空機を載せられそうなサイズの艦はかたっぱしから改造検討の対象になり、その一環で大型タンカーの本艦も建造途中で設計変更され改造に供されました。
しかし、搭載できるのは水上機7機のみでとうてい正規空母には及ばず、米国に対しては焼け石に水です。しかし、護衛空母的な運用、すなわち、輸送船団の上空を搭載機により護衛を行うには有用になった可能性はあります。
模型は資料が極めて少ない中でこの異形の艦を良く再現しており、完成すればコレクションの中でかなり目立つ艦となります。飛行甲板の航空機用の軌条の配置は、上で言及の本に掲載された模型と類似です。
カタパルトは通常の艦艇に設置された2号5型よりも大型な2号11型を装備しており、大型機の射出を前提としています。
このカタパルトを設置した艦は伊勢型航空戦艦、水上機母艦日進、軽巡阿賀野と数少なく、重要な航空戦力になることを期待されていた事がうかがえます。
これは、大型艦攻である流星改の搭載のためと思われます。しかし実際に流星改を搭載したとは思えないので、模型では生産数が多い零式偵察機を搭載しました。対潜哨戒にはこちらの方が機能すると思います。

模型水線間長 22.3cm
マストを金属線に交換







アオシマ 1/700 速吸
Aoshima 1/700 Tanker Hayasui
発売年:2017
同型艦の他社模型:無し 1社からでもインジェクションキット化されたことが奇跡的です。