1930年代に開発された2等駆逐艦である若竹型の5番艦です。本艦は大戦末期までに残存したため、戦局の変化に即した改造が行われています。しかし、空襲を受けている不鮮明な写真が残っているのみで改造の詳細は分かっていません。
このハセガワの模型では本来1本の前部マストの取り付け穴の少し後方に、3脚型のマストにできるような設計図上では使用しない穴が2か所空いています。これは、前部マストにレーダーを搭載した大戦末期の状態を模型化できるようにするための布石だと思います。
残念ながら、1995年に若竹型の模型が発売後四半世紀たった2020年現在でも2等駆逐艦の大戦末期型の模型は発売されていません。資料もない上にかなりマニアックなため発売しても売れる見込みがなかったのでしょうか。しかし、船体さえあれば簡単な改造で作れるのでトライしました。
若竹型の同時期に建造された1等駆逐艦の峯風型、神風型は拡大強化型と言われる程基本設計が似ているので、これらの艦での大戦後半の武装をまねして作製しました。主砲、魚雷発射管の一部撤去と対空機関砲、対潜兵装の強化を行いそれらしくしています。例の穴を活用し前部マストも3脚にしてレーダーも設置しました。こうした小改造でも未発売の艦のコレクションを充足できる一例です。
模型水線間長 12.0cm
マストを銅線に交換
ハセガワ 1/700 駆逐艦 若竹 改造 朝顔(1945)
Hasegawa 1/700 Destroyer Wakatake remodeling to Asagao
発売年:1995
同型艦の他社模型:無し