軽巡洋艦のカテゴリーに入れていますが実際には練習巡洋艦です。他の軽巡洋艦との違いは船体構造が商船に近く建造費が安価な一方、速力が出せない点です。建造費は本艦含む香取型の練習巡洋艦全3隻分が阿賀野型軽巡1隻分だそうです。また最大速力は18ノットとこれも30ノット以上が普通の軽巡洋艦とはかけ離れています。
一方、練習艦として乗員以外に400名近い候補生が搭乗できる特徴もあります。3番艦の香椎は太平洋戦争開戦直前に竣工したため、長距離練習航海の機会はありませんでした。大戦後半は熾烈な海上護衛任務につき1945年1月に沈没しています。香椎の戦没は南方のシーレーン断絶と重なり、日本が実質的に引導を渡された時期です。
この模型ではカタパルト直前にダミーの第2煙突をデリックにより吊って設置した状態を表しています。ダミー煙突は選択式ですが、このような偽装状態での模型は他に例がないのでつけてみました。煙突の数や太さは遠目でも良く目立つ上、艦の特徴を示す大きなヒントになります。この模型では材質が違う感じも出ています。
一般に煙突が太く、数が多い場合は高速力がだせる艦で、逆に煙突が細く、本数が1本の場合は低速力の艦です。本艦は前述のとおり速力がでませんが、煙突の数を増やすと高速艦艇のように見えます。実戦上ではどのような効果を狙ったのかは不明です。潜水艦からの魚雷攻撃の目測(見越し射撃)を外す効果でしょうか。
模型水線間長18.6cm
カタパルトにエッチングパーツを使用
アオシマ 1/700 軽巡洋艦 香椎(1942)
Aoshima 1/700 Light Cruiser Kashii
発売年:2011
同型艦の他社模型:無し
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青島文化教材社 1/700 ウォーターラインシリーズ 日本海軍 軽巡洋艦 香椎 プラモデル 356
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1/700 軽巡洋艦 香椎