水雷艇というカテゴリーの艦ですが、駆逐艦1/2隻といった性格の艦です。武装が同時期の駆逐艦初春型の約半分です。
二等駆逐艦との違いはコンセプトは同じで開発時期が異なる点のようです。二等駆逐艦である樅型、若竹型は1920年代前半の開発で、特に条約の縛りは受けていません。
一方、本級はワシントン海軍軍縮条約制約下で、条約の抜け道的な目的で1930年代後半に開発されたものです。これが、“駆逐艦“ではない理由の一つかもしれません。
条約影響下の小艦艇では、過大な武装由来のトップヘビーに伴う安定性不良が思い浮かびます。前クラスの水雷艇千鳥型では友鶴事件として最悪の形で顕在化しました。
しかし、本クラスでは低い艦橋など、その修正を受けた設計になっています。一方、砲力重視や掃海具装備による多用途化など、帝国海軍小型艦艇にありがちな特徴もあります。
模型は2艦セットのお得感が高いものです。この写真は竣工時の姿で作りましたが、対空、対潜能力を高めた大戦末期状態にも対応できます。
ピットロードから発売の水雷艇、海防艦は2艦セットなのですが、これより僅かに大きい橘型駆逐艦は1艦入りで価格もほぼ変わりません。ここでも艦のカテゴリーが影響しているのでしょうか。
模型水線間長 14.5cm
マストを金属線に交換
ピットロード 1/700 水雷艇 鴻
PIT-ROAD 1/700 Torepedo Boat Ohtori
発売年:1998
同一艦の他社模型:無し
2隻組なので今回紹介の状態の他、主砲を撤去し対潜、対空能力を高めた後期型と作り分けると良いです。
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ピットロード 1/700 日本海軍 水雷艇 鴻 2隻入り W39