紹介済みの装甲巡洋艦日進の同型艦です。シールズモデルから2021に出た新しい模型で、日進とは主砲が違います。
日進は20cm連装砲が前後に一門づづ搭載されたのに対し、春日は前部のみ25cm単装砲です。注目しないと判りにくいです。
模型を作製する立場からはこの差は非常に高ポイントです。一部でも違う部分があり、特にそれが武装となると同型艦でも作製するモチベーションが上がります。
この25cm単装砲は、当時の日本海軍の艦載砲ではもっとも長射程のため、日露戦争時には敵拠点への艦砲射撃にも使用されました。
一世代前の松島型防護巡洋艦 松島、橋立、厳島(いわゆる三景艦)では春日の半分強の排水量に32cm単装砲という巨砲を搭載しました。しかし、船体とのバランスが悪く使いものにならなったそうです。それと比べると春日の25cm砲は艦艇に適切なサイズでした。
本艦は元々、アルゼンチン海軍がイタリアに発注したものを政情の変化により日本が日露戦争直前に買い取った艦艇です。
1900年代にアルゼンチン海軍が最新の艦艇を整備していたことは春日、日進を作製するまでは知りませんでした。アルゼンチン海軍といえばフォークランド紛争しか思いつかないもので。
他国が発注した艦艇の方が運用成績が良かったというのは、日本海軍の艦艇設計思想が悪かったことになります。結局、1945年まで同じ状態が続いたように感じました。
模型水線間長15.5cm
完全素組
シールズモデル 1/700 装甲巡洋艦 春日
Seals Model 1/700 Armored Cruiser Kasuga
発売年:2021
同型艦の他社模型:無し