ワシントン条約による総トン数上限の制約を受けつつ超強力な武装を施した駆逐艦です。
直前の量産型である特型駆逐艦の83%の基準排水量で、主砲は83%(初春型5門、特型6門)、次発装置を含めた魚雷本数はなんと2倍(初春型18、特型9:但し射線数は両方とも9)の重武装でした。
しかし、トップヘビーとなり友鶴事件、第四艦隊事件の影響もあり竣工翌年の1934年には早くも改装され魚雷は12、射線数6に減りました。初春(1941)の状態参照
この模型は竣工時の姿ですが、期間も短く兵器としての実用性に欠けるため、インジェクションキットがなかなか出ませんでした。
本模型が2011年にアオシマから発売された際は、同じ姿で建造された2番艦の子日(ねのひ)と一緒に即購入しました。
実用性はさておき、艦橋前の連装砲/単装砲及び、2番/3番の魚雷発射管が背負い式に配置された上、次発魚雷装填装置が所せましと配置され強そうです。
模型は最新の深めのモールドが施され精密度が高いです。
模型水線間長 15.3cm
後部マストを金属線に交換
3番発射管が高所にあり、この位置から魚雷が海面に落ちて破損しないのか気になります。3番発射管は大がかりな改装前にすぐに撤去されました。さすがに配置に無理があったようです。
情景風写真として撮影しなおした分を一部加工して、ギャラリー初春としてアップしました。こちらもご覧ください。
アオシマ 1/700 駆逐艦 初春(1933)454
Aoshima 1/700 Destroyer Hatsuharu
発売年:2011
同一艦の他社模型:1933の竣工時は無し
<Amazon>
青島文化教材社 1/700 ウォーターラインシリーズ 日本海軍 駆逐艦 初春 1933 プラモデル 454
コメント
[…] 超強力な武装を施された竣工時から一転して、魚雷兵装の減少、主砲の配置変えを行った後の姿です。次タイプの白露型にも引き継がれた、条約型駆逐艦の標準的な(竣工時と比べると平凡な)兵装配置になっています。大戦にはこの状態で参加しました。1933の模型と同じくアオシマのキットです。発売時期も近いため1933と並べると違和感なく改装前後の比較ができます。 改装後の初春型の特徴として、艦橋が大型で角ばっている点があります。大戦末期には建造工数の削減から角ばった構造を持つ艦が増えます。そのため、改装後の初春型は大戦末期の艦のような印象を受けます。 […]